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初めて聴くシプリアン・カツァリス [ショパン]

お彼岸が過ぎ、暑い残暑から急に寒暖の激しい秋に突入です。

皆様、お元気ですか?

私は・・・・・・・・風邪ひきました。

寒暖の差に気をつけよう・・とは思っていたんですが、
暑すぎた夏の疲れがどんとたまっていたのか、ずっと体がだるい日が続き
朝がすごく涼しくなった金曜日、だるいなあ・・と思いつつ
かろうじて家事をこなしていました。









掃除が終わり、
涼しくなったし、もうすぐパパの誕生日なので
久しぶりにバナナケーキでも作ってみようかな、と
バナナなどの材料を買いに近所に出掛けましたが、
お店の中でだるくて
買い物してるのが辛い状態です。

家に帰ったらもうダウン。
慌てて夕飯だけ何とか作って寝ました。

その翌日、土曜日は少し早目のパパの誕生日をしようという日。
兵庫県芸術文化センターでシプリアン・カツァリスを聴いてデートしようと、
チケットを予約していました。
その前に劇場併設のレストランも予約していました。
パパは芸文がすごく気に入っています。
木の香りがしそうな素敵な空間ですよね。
レストランもちょっと高いですがいい気分でご飯がいただけます。

しかし土曜日も朝からとにかくだるくて節々が痛い感じ。
あえなくレストランはキャンセル。
でもカツアリスは・・・
ずっと前から気になっていたピアニストだったのと、
パパは行きたそうです。
チケットも予約してあるから無駄になるし・・

車でだったらいけそうかな!

ということでお昼までぐぐっと睡眠をとり
まだふらふらでしたが芸文に出掛けました。

車で行ったら電車の半分の時間で着いてしまいました!
なんだ~、近いんですね。
道も簡単で新しい発見でした。

チケットをもらって会場にはいりました。
ぎりぎりの予約だったのでほとんど良い席がなかったのですが
1階の一番後ろ、補助席です。
椅子が豪華!しかも結構ピアノの延長線の位置でよく見えます。
椅子の感覚も足がゆったり延ばせるし、後ろに人はいないので、
しんどくない自由な姿勢でいても大丈夫。
ほっとしました。
熱があってだるい時、じっと狭い空間に座るのって窮屈ですよね。

芸文の大ホールを埋めて補助席まで出すなんて・・
カツァリスって人気あるんだなあ・・
しかも年配のご夫婦、男性も多い。
往年のファンかしら。

私とカツァリスの出会いはスケルツオとバラードのCDです。

5年前だったか、当時習っていた先生が発表会で
ショパン先生のスケルツオ2番を弾かれて

「あ~、この曲、中学の時感動した曲だ!弾いてみたい!!」
と思い、まずはお手本を探さないと・・
と思って手にとりました。
なぜ手に取ったかというと、



千円だったからです。爆


その時の印象は・・・
テクニックはすごいけど、なんか音が乾いた演奏で、好みじゃないなあ・・・
というものでした。
でもジャケットの写真はフリオ・イグレシアスみたいな王子様。
へえ~、素敵な王子様だなあ、と思ったものです。笑

多分そのCDがショパコンのディスク賞か何かを受賞されていたと思います。

うまいんだろうけど、その良さがわからない、というのが
当時の素人の感想でした。

結局そのあと、ユンディのスケルツオ集を買い、
そっちにはまりまくってしまいましたが。(DVD付きだったし。笑)

ということでユンディを買う前は
カツァリスの演奏は結構たくさん家でCDをかけていたんですが
スケルツオ4曲とバラード4曲が流れていたはずなんですが
その良さが全く分からず、バラ4も素通りしていました。笑

素人の耳なんてこんなもんなんですねえ。


あ、話がそれました。


登場前にアナウンスが入り、
一番初めにプログラムにはない
即興演奏をします、とのこと。
リストの時代のような即興演奏が最近はなくなってしまって寂しいです、とのコメントです。

で、芸文満席の中、王子カツアリス登場!
と言いたいんですが、

もう歳は59歳くらい。
王子も妖怪に・・・・
顔の面積と同じくらい額が広くなって・・ああ~時間とは残酷なものですね。笑

でもすごくお茶目で可愛い方でした!



楽しそうに登場され、華麗なる即興曲の始まりです!
いったいいくつの名曲がちりばめられていたかなあ・・
今覚えている限りでは、
ブラームスのハンガリー舞曲、モー先生の魔笛、
イタリアオペラのアリア(題名が出てこない)、ワーグナーに・・・
最後はチャイコフスキーの白鳥の湖のテーマで美しく締められました。

うお~、すごい才能です。
ものすごく音感がいいのでしょうね。
ミスタッチほとんどなし。っていうかそういうのは関係ない世界です。

キラキラとした音のシャワーを浴びたようなすごい癒しの空間が広がりました。

そして前半はショパンづくしです。
コピーしておきますね。

順番は雨だれが最初でしたが。

幻想即興曲
ノクターン作品9-2
4つのマズルカ
プレリュード「雨だれ」
子守唄  など


ショパン: ピアノ協奏曲 第2番
  (オリジナル ピアノ独奏版)


ノクターン2番は・・・アレンジいっぱいで
ショパンが天国でひやひやしてるかな・・っていう演奏でした。
素敵でしたけど・・。

どの演奏もすごく良かったんですが、
とにかく特筆すべきは
タッチが軽いこと!!!

腕の力みよ、さようならっ!て感じです。
いくら弾いてもきっと疲れないんじゃないかな、と思わせるような
軽やかでリラックスしたタッチ。
あとは技巧的で、普段気がつかない内声をあえて強調したり・・

音色に関しては最初に聴いたCDの印象とは全然違いました。

ピアノは珍しくヤマハのフルコンだったと思うのですが
とにかく音が美しかったです。

ピアノの専門的なことは知らないパパも絶賛してました。
(とはいうものの、最近よく一緒にピアノを聴いているので
パパは河村尚子さんや山本貴志さんのファンです。笑)

あとびっくりするのが、とにかくリラックスしたまますぐ椅子に座って
0.1秒もたたないうちに弾き出されます。
次の曲に移るのも、こっちが着いて行けないくらい!

天才ってこういう人を言うんだなあ・・と思いました。
アンコールも5曲。
ちょっと曲の前にお茶目にお話してくれたり。

キーシンかカツァリスか!!
そのぐらいのすごさを感じました。


この演奏でチケットは3000円です。
コストパフォーマンスが良すぎて、
ほんとにいいのかな?と思うくらいでした。

ちょっと熱があったけど無理してでも来てよかった!と思いました。
お陰でエネルギーをもらえて、今日、日記を書いている今はずいぶんましです。

いや~、ピアニストの世界はほんとに広いですね。
カツァリスはショパンコンクールの審査員もされているんですね。

ピアノに夢中になり初めて6年、
まだまだ知らない巨匠がたくさんいるので
少しずつ視界を広げて行けたら、と思います。




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ペンネ

ピアノフォルテさん、その後、お体の方はいかがでしょうか?

具合悪い時は何をするのもツライですよね。
ましてやホント、狭い空間で二時間くらい
じっとしていなければならないコンサートとか
飛行機とか。

それでも素晴らしい演奏だったようですね。

ちょっとピアノフォルテさんの文章がおかしくて!
何度も大笑いしてしまいました。

「フリオ・イグレシアスみたい」とか(私もそう思ってた)
「王子というより妖怪」とか(失礼ながらそう思います)。

このレビューを拝読していて思いました。
きっと本当は?というか当時のショパンが弾いたら
ショパンの作品は、とても軽くて美しい音だったんだろうなぁと。

この記事を拝読させて頂いて、何だかとっても
幸せな気持ちになりました♪
by ペンネ (2010-09-26 16:40) 

ピアノフォルテ

ペンネさん
コメント早速にありがとうございます!
カツァリス、前からよく来日してるなあ~と思って気になっていたんですが
なかなか行く機会が来なくて、ようやく念願叶いました!
しかし、あのCDのジャケットからの変化は
ルガンスキー様も真っ青なくらい後退してますよね。
(ルガンスキーもかなりですけど・・・)
ユンディの将来はいったいどうなるんだろう、と心配です。(そっちか!)
でも演奏は、パパも大絶賛して
「本当のプロっていう演奏はこういうことなんだね。」とほめちぎっていました。

ショパンの時代のピアノはタッチも軽やかだったのでしょうね。
鍵盤の重さはどうだったのでしょうね。

by ピアノフォルテ (2010-09-26 18:59) 

門前トラビス

こんにちは~。お久しぶりにコメントさせていただきますーーー。
カツァリスさんのお名前が出たからには!!
(以下、愛情をこめて、カツ先生、と略記させていただきます)

ショパン弾きと言われながら、実は驚異的なレパートリーの広さで録音数は膨大な凄腕ピアニストなんですよね~~。
リストがピアノ編曲したベートーヴェン交響曲も全曲録音するなど、マニア心までくすぐる、往時の王子・・・ちょっとダジャレってみました(失礼)。

私は実演に接したことはなく、ピアノフォルテ様の記事を拝見して、おお、いいなあ~~と思った次第。なにせ演目にショパンのピアノ協奏曲2番の「ピアノ独奏版」。変化球を投げずにはいられない、カツ先生らしくって良い選曲です~。

しかし、カツ先生といえば、90年代前半、NHK趣味百科(←このタイトルもどうかしているけど)で、「ショパンを弾く」というレッスン番組をやっていたことが心に残っています。
クラシック系音楽の教師とは思えない、明るいユニークなキャラ。ちょっと天然系ですが魅力的で、NHKらしからぬ人選には拍手拍手でした。

カツ先生のショパン終了してから、同企画で、コワモテのオピッツさんの「ベートーヴェンを弾く」が放映され、音楽の土俵が違うとはいえ、カツ王子の輝きには遠く及びませんでした。
カツ先生、これからも頑張って欲しいです!
by 門前トラビス (2010-09-30 09:12) 

ピアノフォルテ

トラビスさん
熱~いコメントありがとうございます!
カツアリス、お好きなんですね~。

オケのものをサラサラっと編曲されちゃう方なんですよね。
そういうところもリストっぽいなあ・・
ベートーベンの編曲も聞いてみたいです!
お人柄がお茶目でほんとファンになりそうです。

by ピアノフォルテ (2010-10-02 23:34) 

flutist

私もシプリアン・カツァリスのスケルツオ&バラードのCDが最初の出会いでした。以前、近くのホールで生演奏を聴きましたが、とてもよかったです。コンサートが終わって出てこられた所で、プログラムにサインして頂きましたが、とても優しい感じでした・・・。
by flutist (2011-02-11 12:05) 

ピアノフォルテ

flutistさん
コメントありがとうございます。
カツアリス、音色の美しさが今でも脳の中に残っているような素敵な体験でした。ピアノの響きってこんなに心地いいんだなあ~という感じです。
また来日したら行ってみたいです。
お人柄も本当に気さくでお茶目な感じですね。
by ピアノフォルテ (2011-02-11 13:48) 

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